沢山の書類の前で話す人

進学や進級を機に一人暮らしを始める学生の中には、賃貸契約(法律上は「賃貸借契約」のため、以降は「賃貸借契約」に統一します)についてわからないことが多く、不安を感じる方もいるでしょう。準備すべきものが見えてこないと、何から始めるべきか判断しにくくなります。

この記事では、学生の賃貸借契約で必要となる書類や費用、審査で見られるポイントなどについて解説します。全体の流れを理解しておくことで、スムーズに契約段取りを進めやすくなります。ぜひ参考にしてください。

賃貸契約での注意点とは?

初めて一人暮らしをする学生にとって、賃貸借契約は人生で初めて経験する契約行為であることが少なくありません。社会人の契約と異なり、学生の場合は本人に安定した収入や社会的信用がまだ十分でないケースが多く、契約の進め方には学生ならではの注意点があります。

まず大きなポイントは、多くの物件で保護者などの連帯保証人が求められる、または賃貸保証会社の利用が条件になっているという点です。学生本人だけで契約を進めるのは難しいのが実情のため、契約を検討し始めた段階で早めに保護者に相談し、必要な書類や手続きについて共有しておくと安心です。

また、初めての一人暮らしでは、家賃以外にかかる初期費用や入居後の生活費まで含めた総額を見落としがちです。「家賃が予算内だから大丈夫」と思っていても、敷金・礼金・仲介手数料・火災保険料などが重なると、想定より大きな出費になることがあります。契約前に、初期費用と入居後の生活費をあわせたトータルの負担感を確認しておくことが大切です。

このほか、進学が決まってから入居までの期間が短く、内見や契約のスケジュールに余裕がないまま進めてしまうケースも見られます。合格発表後から入学式までの限られた期間で物件探し・内見・契約・引っ越しを終える必要があるため、早め早めのスケジュール管理を意識しましょう。

賃貸契約前に確認する事

実際に契約を結ぶ前には、次のポイントを確認しておくと、契約後のトラブルや想定外の出費を防ぎやすくなります。

■初期費用の総額
敷金・礼金・前家賃・仲介手数料・火災保険料などを合算した初期費用の総額を確認しましょう。物件によっては敷金・礼金が不要なタイプもありますが、その場合は退去時の費用や更新料など、各種条件が異なることがあるため、あわせて確認しておくと安心です。

■連帯保証人・保証会社の要否
連帯保証人を用意できるか、もしくは保証会社の利用が必須かどうかは物件によって異なります。保証会社を利用する場合は、契約時や更新時に別途保証料がかかることが一般的なので、事前に費用感を確認しておきましょう。物件や保証会社によっては学生向けの条件が用意されている場合もあるため、不明点は管理会社や仲介会社に相談すると安心です。

■契約者を学生本人にするか、保護者にするか
契約者が学生本人か保護者かは、物件や管理会社によって異なります。ただし、どちらの形にするかを借りる側で選べるとは限らず、物件の方針や審査によって指定される場合があります。必要書類や審査の進め方も変わってくるため、早めに保護者と相談したうえで、不動産会社にも確認しておくと安心です。

■在学証明書などの提出書類
物件や管理会社によっては、学生であることを証明するために学生証のコピーや在学証明書、合格通知書の提出を求められる場合があります。進学先が決まっている場合は、必要書類をあらかじめ確認し、余裕を持って準備しておくとスムーズです。

■退去時にかかる費用
入居時だけでなく、退去時にどのような費用がかかるかも契約前に確認しておきたいポイントです。原状回復の範囲や、クリーニング費用の負担区分などは物件によって異なるため、契約書や重要事項説明書で事前にチェックしておきましょう。

学生の賃貸借契約で必要なもの・書類

学生が賃貸借契約を結ぶ場合、本人に関するものだけではなく、保護者や保証人に関する書類が必要なケースがあります。必要書類は早めに確認しておきましょう。

以下のようなものが代表的です。

入居申込書

賃貸借契約にあたり、物件を借りたい意思を正式に伝える書類が入居申込書です。入居する学生本人、契約者となる保護者、そして必要に応じて連帯保証人に関する情報を記入して提出します。

学生本人については氏名や年齢、現住所、電話番号、メールアドレスなどの基本情報を記入します。また、学生であることを確認するために、学生証や合格証明書が必要となるのが一般的です。契約者が保護者になる場合は、保護者の氏名や住所、連絡先に加え、勤務先や収入状況なども記載します。

身分証明書

契約者や入居者が本人であることを確認するために提出するのが、身分証明書です。一般的には運転免許証のほか、健康保険証、マイナンバーカード、学生証などが利用されます。併せて、本人確認とは別に住民票の写しを提出するよう求められるケースもあるため、必要に応じて用意しましょう。

また、高校生の場合、進学先が確定していることを示すために合格通知書を求められることがあります。事前に確認しておきましょう。

保護者は身分証明書や住民票の写しに加え、契約内容によっては印鑑証明書や勤務先に在籍していることがわかる書類の準備が必要になる場合があります。連帯保証人を立てる場合はその人の印鑑証明書や収入を確認できる書類も必要です。

収入証明書

学生の賃貸借契約では、学生本人ではなく保護者の収入証明書を求められるケースが一般的です。これは、入居審査において賃料を継続して支払えるかを確認するための書類です。源泉徴収票や住民税の決定通知書などが使われます。

物件や契約形態によっては不要な場合もありますが、あらかじめ用意しておくと提出を求められた際もスムーズに進められます。

入居者・連帯保証人の情報

連帯保証人が必要な契約の場合は、入居する学生本人だけでなく、連帯保証人に関する情報も審査対象となります。

連帯保証人を立てられない場合は、賃貸保証会社を利用するケースが一般的です。そのため、連帯保証人がいないからといって契約できないわけではありません。なお、多くの学生向け物件では、保証会社の利用を前提とした契約が一般的になっています。

住民票

入居予定者の住民票を用意しておきましょう。取得日から3ヶ月以内の住民票を必要とされるケースが一般的です。早い段階で取得すると、取り直しが必要になることがあります。

住民票は市区町村役場の窓口のほか、対応している自治体であれば、マイナンバーカードを使ってコンビニでも取得可能です。

印鑑証明書

実印が本人のものであることを公的に証明するための書類が、印鑑証明書です。契約内容によっては、実印ではなく、銀行の届け出印で対応できる場合もあります。

印鑑証明書は、お住まいの市区町村役場や行政サービスコーナーで申請して取得しましょう。まだ印鑑登録が済んでいない場合は、先に登録手続きが必要です。実印として登録したい印鑑を用意し、市区町村役場の窓口で印鑑登録申請書に記入して提出しましょう。

顔写真付きの身分証明書を持参すると、即日で手続きが可能です。顔写真付きの身分証明書がない場合や代理人に依頼する場合は、申請と受け取りで2回に分けて出向かなければならないので時間がかかることを理解しておきましょう。

銀行印・通帳

口座振替で賃料を支払う場合、銀行印のほか、通帳やキャッシュカード、口座情報がわかる書類の提示を求められることがあります。

銀行印がわからない場合は、口座を開設した金融機関に候補の印鑑を持参し、登録されている印鑑を照合してもらいましょう。印鑑を紛失してしまった場合は、新たに登録手続きを行う必要があります。

学生の賃貸借契約で必要な費用

お金と電卓に家のイラスト

賃貸借契約では、賃料以外にも契約時にまとまった費用が必要になります。具体的にどのような費用が発生するのかを理解しておかないと、想定以上に費用がかかり、驚いてしまうこともあるでしょう。

ここでは、学生の賃貸借契約で発生しやすい費用と、事前に確認しておきたいポイントを解説します。

敷金・礼金

入居中の賃料滞納や退去時の修繕費に備えるため、あらかじめ家主に預けておくのが敷金です。退去時は原状回復に必要な費用を差し引いたうえで返金されることが一般的ですが、預けた金額よりも原状回復費用が上回った場合は、追加で費用を請求されることもあります。敷金が不要な物件もありますが、その場合は退去時の清掃費や修繕費が別途請求される可能性があるので確認しておきましょう。

礼金は、物件を貸してもらうことに対するお礼として支払う費用です。一般的に退去時に返却されることはありません。敷金と同様に礼金が不要なケースもあります。

前家賃

賃貸借契約では賃料を前払いするのが基本であるため、契約時に前家賃として入居開始日から一定期間分の賃料を支払います。月の途中から入居する場合は入居日から月末までの日割り分に加え、翌月分の賃料までまとめて支払っておくのが一般的です。

見落としがちな費用とも言えるので、注意しておきましょう。

仲介手数料

物件の紹介や案内、契約手続きを行った不動産会社に対して支払うのが仲介手数料です。不動産会社の仲介業務に対する対価であるため、退去時に返金されるものではありません。

物件や不動産会社によって金額は異なりますが、法律で上限が定められています。多くのケースで契約時に発生する費用であるため、あらかじめ金額を確認しておくことが大切です。

火災保険料

多くの賃貸物件では、火災保険への加入が条件となっています。不動産会社から紹介される保険に加入するのが一般的です。

火災保険は、契約内容によっては水漏れや不注意による事故で部屋や建物に損害を与えた場合も補償の対象となります。加入する保険によって詳細は異なるため、補償される内容や範囲についても理解しておきましょう。

こうした保険加入が求められるのは、万が一のトラブルに備える目的で加入を必須としている物件がほとんどです。仮に保険に加入していないと、トラブル発生時に高額な賠償が発生する可能性があります。

学生が賃貸の審査を受ける際の注意点

学生の賃貸借契約では、主に契約者となる保護者の支払い能力や信用情報が審査対象となります。学生であること自体が、審査で不利になるわけではありません。

ただし、賃料が契約者の収入に対して無理のある金額である場合は審査通過が難しいと考えておきましょう。過去の支払い遅延や契約者の信用情報に問題がある場合も審査に影響します。

また、見落としがちなのが、学生本人の態度です。内見や契約時の受け答えなどから、入居後のトラブルリスクがないか確認される場合があります。内見や問い合わせ時に、言葉遣いや受け答えが丁寧で身だしなみが整っているだけでも好印象を与えられるでしょう。

連帯保証人に問題がなくても、入居者本人に不安を感じさせる要素があると、審査に影響してしまう可能性がある点に注意が必要です。

必要なものと費用は早い段階で確認しておこう

学生の賃貸借契約では、多くの書類や準備物が必要です。また、初期費用や審査の仕組みについても理解しておきましょう。

初めての賃貸借契約は不安を抱きやすいものではありますが、わからないことは早めに確認し、保護者とも相談しながら進めていきましょう。

ナジックでは学生向けマンションを中心に多くの物件を取り扱っています。契約時に必要なものや手続きに関してもスタッフが丁寧にサポートしているので、初めての住まい探しを安心して進めたい方はぜひご相談ください。